rrさんのボーカルをおミックスした作業ログを残しておきたいと思います。
まず、受け取ったWavファイルをLogic Proのプロジェクトに追加して、ノイズ除去等、若干の補正をした状態がこれ。
ミックス作業後のボカーカルトラックがこれ。
使用したプラグインはこんな感じ。
Logic Pro X Exciter
Waves Q10 Equalizer
Waves MV2
Waves Renaissance Compressor
Waves Kramer Master Tape
Waves H-EQ Hybrid Equalizer
Waves DeEsser
一つ一つについて、簡単な説明と設定値を残しておきます。
※ミックスに正解はありません。あくまで今回のケースですので。また、実際の作業は、必要に応じて、他のトラックも同時にプレイバックしながら作業しています。
Logic Pro X Exciter
ボーカロイドなんかだと、もっと下からかけることが多いですが、今回は、高域だけにかけることにしました。
Waves Q10 Equalizer
コンプレッサの前段として、ネガティブEQを設定します。ポイントは2つ。まずは270Hzあたりでボーカルのこもりが出ているのでカット。それから、4kHzあたりが若干ギラギラしているのでカット。今回は必要なかったですが、硬さが残る場合(MEIKO Powerでよくある)は3kHzあたりもカットしたりします。
Waves MV2
ピークを潰すより、ブレスなどの「人間ならではの繊細な生々しさ」を持ち上げるねらいで設定します。時間的余裕があったり、プロいクオリティが求められるのであれば、いわゆる「手コンプ」の方がいいかもしれません。
Waves Renaissance Compressor
アタックがかなり短いですが、レシオも低く、GRがピーク時でも-5db程度と、音色があまり変わらないように設定します。
Waves Kramer Master Tape
「アナログ・テープならではの暖かく、豊かなサウンド」(製品ホームページより)
なんてね。コンプレッションの仕上げとして、軽くサチュレーションさせる感じで設定します。
Waves H-EQ Hybrid Equalizer
アクティブEQとして、基本的には、6kHzあたりをブーストしてクリアな音を作ります。つってもこれ、ほぼH-EQのプリセットですけどね。
Waves DeEsser
ここまでやると、どうしてもシビランスが出過ぎてしまいますので、抑え込みます。
その他
空間系は、センドリターンでリバーブを2発設定。それと、曲調にあわせ、サビだけディレイを入れました。(冒頭のサンプルではオフにしています)
いくつかプラグインを使っていますが、基本的な考えは「原音→ネガティブEQ→コンプレッション→アクティブEQ」です。
ボカールのミキシングは特に、よほど明確なイメージがない限り、原音の輪郭を際立たせるための補正作業にとどめた方が良いと思います。